沖縄県北部、名護市の天仁屋(てにや)区にある嘉陽層の褶曲(しゅうきょく)は、強大な自然の力を間近で目にすることができる。嘉陽層とは、今から約4000万年ほど前に形成された地層で、主として東村有銘から金武岬までの沖縄本島東海岸側に分布している。
天仁屋川の河口(天仁屋海岸)からバン崎まで続く約1.5kmの海岸沿いには、大地の活動によってグニャグニャと曲がった地層(褶曲)を見ることができる。地層が幾重にも折れ曲がって美しい曲線を描いているこの地形は、2012年に国指定の天然記念物(地質)に指定されている。
この度、この自然のダイナミズムを見に行くことができたので、道中の様子や目を引いた地層を紹介する。これから訪れたいと考えている人にとって参考となる情報を載せているので、ぜひ最後まで読んでほしいと思う。

行く前の準備と注意点
天仁屋海岸からバン崎までの距離はあまり長くありませんが、その足場はかなり悪いものである。多くが大きな石がゴロゴロした場所と濡れた岩場になっているので、必ず滑り止めのあるスニーカーやマリンシューズを履いていこう。
また、これが一番大事なのだが、バン崎までの道は大潮の干潮時でしか歩くことができない。スケジュールを組む時はカレンダーや潮見表で必ず確認しよう。たとえ大潮の干潮時であっても、膝下程度の深さの海の中を歩くことにはなる。
その他、片道約1時間、行って帰ってくるのに3時間ほどの時間を要するので、日差し対策や飲料水・軽食の用意もしておこう。
出発地:天仁屋川の河口(天仁屋海岸)

天仁屋区の集落の中を通り過ぎ、道を下れば河口へ出る。広い砂浜には車を停めるスペースが十分にある。

目的地であるバン崎の位置は、上の写真の矢印で指している島が目印である。あの付近までこの海岸沿いをひたすら歩き進む。

参考までに、私たちが見学にかかった時間も報告する。
この日、干潮時間がだいたい12時すぎ、天仁屋海岸を出発したのが10時24分。
出発~中間地点まで
褶曲までの道はこんな感じ↓↓↓


大きな石がゴロゴロと敷き詰められている場所、濡れて滑りやすい岩場の上を、転ばないように慎重に進んでいく。
右側の崖には既に見応えのある地層や褶曲が点在している。
ここで見られる地層・褶曲








↑↑↑の地層がちょうど中間地点にあたる。
この辺は歩きやすいし、座って休憩するのにぴったりな形の岩もある。


中間地点~嘉陽層の褶曲(バン崎)まで
一息ついたら再び歩みを進める。ゴールのバン崎へ近づくにつれ、地層の様子もだんだん変化していくので、それを楽しみながら進もう。

ここまでの道中で、土砂崩れした場所が2ヶ所あった。
ここで見られる地層・褶曲






ご覧のように、この地点に至るまでにもダイナミックな地層を目にすることができる。
嘉陽層の褶曲(バン崎)へ到着!
いよいよ目的地のバン崎が近くなると、白黒の地層が露出し始める。
曲がりくねった地層やくねくねと折れた断層だらけの、地球の呼吸を感じ取れる圧巻の景観が広がるバン崎。




休憩時間込みで、ここまで来るのにちょうど1時間ほどかかった。

最後に
実際に現地へ行くと、他では見られないような景観を目にすることができて感動した。
実は、筆者は昔学校の授業の一環でこの嘉陽層の褶曲を見に行こうとしたことがあった。しかし当時は海が荒れてバン崎への道が閉じていたため、この天然記念物を見ることが叶わなかった。まさか10年ぶりに再チャレンジできる機会に恵まれるとは思っていなかったが、体力のある内に見ることができて本当に良かったと思う。
私は地質学については素人なので、この景観の成り立ちについての解説は他の詳しい方のサイトをご覧いただきたい。
オススメの詳しい他サイト → https://naganokai.com/kayousou/
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